ぶどうを育てていると、
春に一気に芽が伸び始めます。
そのときに出てくる作業が「芽かき」です。
せっかく伸びて来た芽を取るため、
「どれを取ればいいの?」
「取って大丈夫?」
と不安になる方も多いと思います。
この記事では、
ぶどうを育てている方向けに、
芽かきをやさしく解説します。
芽かきってなに?
芽かきとは、
伸びてきた芽の一部を取り除く作業です。
ぶどうは、剪定で残した枝の
ほぼすべての芽から
新しい枝(新梢)が伸びます。
そのままにしておくと、
- 枝が混み合う
- 養分が分散する
- 果実品質が悪くなる
- 今後の管理が難しくなる
ため、不要な芽を早めに整理します。
芽が小さいうちに、
指で軽く折るだけでできます。
難しい作業ではありませんが、
とても大事な管理です。
芽かきの目的|なぜ行うのか?
芽かきは単に
「芽を減らす作業」ではありません。
ぶどうの生育を整え、
品質を安定させるための重要な管理です。
① 貯蔵養分の浪費を防ぐため、余分な新芽をとる
ぶどうは前年に蓄えた養分(貯蔵養分)を使って、
春に一斉に芽を伸ばします。
芽をそのまま全部伸ばすと、
その養分が分散し、無駄に消費されてしまいます。
芽かきによって余分な新芽を取り除くことで、
必要な枝に養分を集中させることができます。
② 新梢の樹勢を揃え、作業の効率化と果実品質の均等化
芽かきをしないでいると、
枝ごとの勢いにばらつきが出たり、混みあったりします。
その結果、
- 房の大きさが揃わない
- 生育に差が出る
- 作業がしにくくなる
- 手間が増える
といった状態になりやすくなります。
芽かきによって
枝の勢いを適切に調整することで、
- 新梢の勢いが整う
- 管理がしやすくなる
- 房ごとの品質が安定する
といったメリットが得られます。
芽かきは、
その後の管理を楽にするための土台づくりでもあります。
③ 棚面や畑内の明るさを確保できる
芽を整理せずにいると、
葉が密集し、棚の中が暗くなります。
光が不足すると、光合成量が減るため
- 房の生育が不安定になる
- 着色が悪くなる
といった影響が出ます。
棚面全体に光を行き渡らせるための作業でもあります。
④ 風通しを良くし、病害虫の発生を抑える
枝葉が混み合うと、
湿気がこもりやすくなります。
湿度が高い状態は、
病害虫の発生を助長します。
芽かきを行うことで、
- 風通しを確保できる
- 薬剤をムラなく散布しやすくなる
といった効果があり、
病害虫の発生抑制につながります。
芽かきの時期|一度にやらず、2〜3回に分ける
芽かきの時期は、
この場所ならこの時期といった
決まった時期はありません。
新芽が出始めたタイミングから
定期的に木を観察して行います。
そして、一度に全部終わらせようとすると
失敗しやすいです。
最初から最終の形で芽を選ぼうとすると、
- 取りすぎる
- 残すべき芽まで取ってしまう
- 木の勢いがバラつく
といったことが起こります。
そのため、芽かきは2〜3回に分けて行うのがおすすめです。
1回目|葉が2〜3枚のとき
最初の芽かきは、新梢の葉が2〜3枚ほど出た頃が目安です。
この段階では、明らかに不要な芽だけを整理します。
1回目で取る芽
- 不定芽(結構母枝ではない位置から出る芽)
- 副芽(主芽の横から出る芽)
特に副芽は、
主芽と競合して枝の勢いを分散させます。
ただし、結果母枝(前年伸びた枝)全体を見て、
先端の芽が明らかに勢いが強い場合は
副芽ではなく、勢いの強すぎる芽のほうを
整理して副芽を残す場合もあります。
この時点では「軽く整える」くらいで十分です。
2回目|葉が5〜6枚になった頃
この頃には新梢が伸び、
勢いの差がはっきりしてきます。
ここで改めて、
- 枝全体のバランス
- 強すぎる芽
を見ながら調整します。
3回目|最終調整
3回目のタイミングは花が咲く前ですが、
2回目の芽かきで樹勢が整っていれば、
行わなくても問題ありません。
もし、
- 混み合ってきた
- 予想以上に強弱差が出た
といった場合のみ、
軽く微調整を行います。
強弱の差が出ていた場合は、
ほかの結果母枝の新梢の勢いを見ながら残す枝を決めます。
ほかの枝が強ければ強い方、弱ければ弱い方の枝を残します。
芽かきで気をつけたいポイント
芽かきは難しい作業ではありませんが、
いくつか意識しておきたい点があります。
一度に全部決めようとしない
芽かきは1回で完成させるものではありません。
最初から完璧に整えようとすると、
取りすぎや、遅霜や風など天候によって
芽が枯れたり、折れたりすることがあります。
2〜3回に分けて、
様子を見ながら整えるのが基本です。
芽だけを見ない
芽かきは、
- この芽は強い
- この芽は弱い
と単体で判断する作業ではありません。
大切なのは、枝全体のバランスを見て、
同じくらいの勢いの枝を残すことです。
全体を見ながら整理すると、
自然と形が整っていきます。
迷ったら少し残す
どうしても判断に迷う芽は、
その場で無理に決めなくても大丈夫です。
一度残しておいて、
次の芽かきで調整するという方法もあります。
芽かきは“修正できる作業”です。
まとめ|芽かきは「整える」ための作業
芽かきは、ぶどう栽培の中で
最初に行う大切な管理作業です。
- 余分な芽を整理する
- 養分を必要な枝に集中させる
- 風通しと明るさを確保する
その目的は、
ぶどうを“無理なく育てる”ためにあります。
芽かきは一度で完璧に決める作業ではありません。
段階的に整えていけば、
大きな失敗はほとんどありません。
大切なのは芽だけを見るのではなく、
- 枝全体を見ること
- 完璧を目指しすぎないこと
少しずつ経験を重ねながら覚えていけば十分です。
焦らず、木の様子を見ながら進めていきましょう。

